リンク機構
油圧ショベルを自分の手のように扱い
自由自在に土をすくったり山を削ったり
あ
いえいえボクじゃないですよ。
でも、日本全国の同業者には、そんなオペレーターがたくさんいます。
もちろん、わが社にも。
そうなるためには、経験を積み重ねて身につけ熟練した技術が必要なんですが、そもそも機械の方にそんな仕組みがそなわってないとどうにもなりませんよね。
では、それはどういう仕組がもととなっているんでしょうか?
その基本がリンク機構と呼ばれるものです。
リンク機構は、組み合わせたふたつ以上の物を動かす仕組みです。
そのなかで、棒のカタチをした部材がリンクです。
そして、それがつながった部分をジョイント(対偶)と呼びます。
その組み合わせがリンク機構です。
『イチから学ぶ機械要素』さんより
上の図でいうと、AがリンクでBがジョイントです。
これによって、単純な動きから複雑な動きをつくることが可能となるのです。
ではリンク機構の基本をお見せしましょう。
たとえば自動車のワイパーは、右と左のワイパーブレードを同時に動かすことで、ウインドウについた雨を取り除いてくれますよね。あの時、モーターの回転する動きをブレードの往復する動きに変えてくれる装置は、ワイパーリンクという仕組みでできています。
IリンクとHリンク
油圧ショベルのバケット、つまり土をすくうバケツの根元は、建設機械で使われているリンク機構のなかでもっともよく目にする代表的なものと言ってもいいでしょう。
『アースマシン株式会社』さんより
ここには、その形によって2種類のリンクが使われています。
上図の右上がIリンク、その下をHリンクと呼びます。
Hリンクは、片方(上側)を油圧シリンダに、もう一方(下側)をバケットにジョイントするリンクで、H形をしています。
それに対してI型をしているのがIリンク。Hリンクと同じ結合部(下側)をジョイントにして、もう一方(上側)はアームに取り付けられるようになっています。
このHリンクとIリンクが結びつき関係しあって、あのバケットの動きができるようになっているのです。
こんな感じですね。
『電子キット【公式】~両てこ機構(ショベルカーのバケット)』さんより
実物だとこんな感じです。
では最後に
ホンモノの動きをお見せしますね。
どうでしたか?
この仕組みで、重要な役割をはたしているのが、リンク機構ともうひとつ。
油圧シリンダです。
バックホウのことを油圧ショベルとも呼びますよね。その油圧です。
ということで
次回は、建設機械にとって欠かせない油圧についての巻。
どうぞおたのしみに。
(みやうち)
参考図書:『トコトンやさしい建設機械の本』(宮入賢一郎、日刊工業新聞社)
参考サイト:『イチから学ぶ機械要素~リンクの機構と種類~』