現場ではたらく機械


カニクレーンって知ってますか?

クレーン作業をするとき、その安定性を保つために、アウトリガーと呼ばれる「ふんばり」を張り出します。転倒防止のためには欠かせない装置です。

カニクレーンは、読んで字のごとく、カニの脚のようなアウトリガーを持つクレーンです。


前田製作所HPより


カニクレーンという名前は前田製作所製作のミニクローラークレーンの商品名。1980年に登場したと言いますから、40年以上の歴史があります。

小型ですから、ほとんどの機種で運転席はありません。

アウトリガーを折り曲げると、1トン吊りで幅60センチ、2.9トン吊りで80センチになり、狭い通路や坂道、ちょっとした段差があっても走行することができます。

ヘの字型をしたアウトリガーを持っているため、狭い場所はもちろんのこと、凹凸や段差、高低差のある現場や傾斜地でも作業ができます。

カニクレーンが生まれたキッカケ

カニクレーンが生まれたキッカケは墓石屋さんのニーズからでした。

墓地へ行くまでには、狭い通路を通っていかなければならない場合が多くあります。作業を行う墓地の中は、たいがい狭いし、周りには墓石や塀があることもめずらしくはない。

人力作業がふつうのそのような現場で、なんとかそこを機械化できないかと考え出されたのがカニクレーンでした。

ところで、礒部組の現場でも何度も使ったことがあるそのカニクレーンですが、現場に入るたびに、いつもわたしが感じることがあります。

これってカニか?

そう思うのです。

いつもいつでも、別の生き物を想像してしまうんです。

では、あらためて想像してみてください。

前田製作所HPより



コッチに似てないですか?


http://outdoor.ymnext.com/inform-51.htmlより



そう、カニというよりも、どちらかというとクモ。スパイダー。

なんなら、コッチの方がもっとすんなりとくるんです。

ガシャポンより



昔から、かねがねそう思ってはいたんですが、今回、これを書くにあたってあらためて調べてみて、そう思ってるのがわたしだけじゃないっていうのがわかりました。

スパイダークレーン

カニクレーン。英語では、スパイダークレーンというらしいんです。

では証拠をお見せしましょう。





このLEGOセット。スパイダークレーン42097という商品名です。

とまあ、これでわたしの気持ちはスッキリしたので、これにて一件落着。

今後はやっぱり、開発者の前田製作所さんに敬意を表して、カニクレーンと呼ぶことにしましょう。

国外でのニーズも増えてきて、どんどんと進化した機種がリリースされてるようですよ。

カニクレーン。

じつに見事な発明ですよね。


(みやうち)


参考図書:『トコトンやさしい建設機械の本』(宮入賢一郎、日刊工業新聞社)
参考サイト:『TRUCK 123』(2020.03.18)

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