小島地区ほ場整備工事、現場打ちU型水路の鉄筋組立が完了しました。
翌日の社内グループウエアには、現場で施工管理を担当するナツキくんから「みなさんに質問です」という投稿が。
というのも、たて壁にコンクリートを打ち込む際、天端から底までの距離が長いため搬器からそのまま落とさずに、出口にサニーホースを取り付けて、それを経由させて打ち込もうとしているらしいのですが、壁厚が薄いため、両サイドの型枠を建て込んでしまうと、中が真っ暗でそれが見えなくなってしまい、工事記録写真が上手く撮れないので、さてどうしたもんか?と悩んでしまったとのこと。
さっそく、先輩方からのアドバイスがいくつか投稿されました。
外側の型枠を建てたところで、搬器にサニーホースを取り付けたものをセットして、そこでコンクリートの落下高さが1.5m以内ですよ、という写真を撮影。さらに、それを使って実際に打込みしているところを撮って記録とする。
みんなの意見を総合して要約すると、おおむねそんなところでしょうか。
こんなことを書くと
「そんなん面と向かって誰かに聞けばええやん」
そう感じた方がいるのではないでしょうか。
そう言いたい気持ちはよくわかりますし、たぶんナツキくんも主任技術者のオー隊長には聞いていると思います。
その上で他の人の意見も聞いてみたかった、もしくは、オー隊長が、みんなにも聞いてみたら?とアドバイスをした、たぶんどちらかだったのではないかと想像します。
それでも、「わざわざWebで?」と首をひねる方はいるでしょう。
当社が「グループウエアを活用してコミュニケーションをとる」という、いわゆる掲示板方式による情報共有を行おうとしたのは約18年前。当時、「そんなんをやり出したら、余計にF2F(フェイス・ツー・フェイス)のコミュニケーションが減るやんか」という意見があったものでした。
それでもそんな主張には耳を貸さずに強行したのは、「これが今という時代というなのよ」という確信があったから。
あれから二十年弱。今や上手にそれを使いこなし...となれば上出来なのですが、現実はそれほどかんたんなものではなく、未だに道半ば、というのが正直なところです。ですから、たまにこういう投稿があったりすると、ああよいな、とほっこりするわけなのです。
肝は情報共有です。
けっして1on1を否定するわけではありませんが、そこはあくまでも一対一の「閉じた場」でしかありません。その会話が始まった原因やキッカケ、そこで出された結論は、あえて皆に発信する、というその後のひと手間を加えないことにはオープンなものとはならず、それが組織の共有知となることもありません。
「掲示板」ならそれをオープンにすることができます。あくまでも会社の中だけでのことなので、厳密に言えばクローズな場ではあるのですが、少なくとも個人、あるいは発信者と返信者という限られた複数、というごくごく閉ざされた場でないのは確かです。
もうひとつの肝は他者に興味をもつ、ということです。
あの人は...あの現場では...あんなふうに考えて...あんな方法を用いて...
個人の経験はあくまでも1人分にしかすぎません。それを抱え込む人は1人分の経験を蓄積することができますが、それを共有してもらえない人はゼロです。それを組織内に公開すれば、実体験にはおよばないにしても、それ相応の知見が他者に広がります。それがこのシステムです。
しかし、他者に興味を示さない人は、せっかくのその発信を自分のものにすることができません。
それが「見る」であっても「聞く」であっても、興味をもって主体的にその行為を行わない人は、いつまで経っても他者の体験を自分の疑似体験とすることができません。そこから成長がのぞむべくもないのは、自明のことです。
世の中、そうそう捨てたものではありません。自分の疑問や悩みを他者にさらけだしてみたら、答えてくれる人が必ずいます。それをもとに行動を起こし、それを振り返って自分のものにする。出来得ればそれをまた発信する。その繰り返しが、キミやぼくを成長させます。いや、老頭児のぼくにはほとんど伸びしろがありませんが、若い人たちには、伸びしろしかありません。
この話、内輪話のようでいて、それは実際そうなのですが、じつはそうとも限りません。上司論であって部下論であって、つまり組織論のようなつもりで書きました。あくまで、「わたくし的」ではありますが、あながち的外れでもないはずです。でわ。
(みやうち)
