現場ノート





琵琶ヶ谷川砂防施設改築工事

もともとあった躯体にコンクリートを打ち増し

ダム全体をおおきくしたあと

透過型えん堤にするために

これから本体中央部分を切断する作業に入っていきます。

まずはその手始めとして足場の組み立てが完了。

来週からのワイヤーソー切断業者さん入場を待ちで

今週末は作業がなく

ひっそり静かな現場です。

そんな現場に珍客が・・







なにやらカニのようなカタチをしています。







モクズガニ

漢字で書くと藻屑蟹です。

このへんでは

略してヅガニという呼び名が一般的です。

定番は塩ゆで

あるいは味噌汁

すりつぶすとより一層濃厚なスープができる

あのヅガ二です。



思わずツバをのみこみながら想像していると

ひとつ気づいたことが・・





横ばい

そう

横ばいなんです。

このダムの壁は約80度。

直角に近い絶壁です。

そんなところを登るときも

横ばい

あくまでも自分のスタイルを崩さないその潔さがステキです。

俗に「蟹の横這い」と言います。

辞書を引いてみました。

【蟹の横這い】

1物事がなかなか前に進まないこと

2《他からは不自然に見えても、カニにとっては自然な歩き方であることから》他人が見ると不自由そうでも、自分には最も適していること。また、それぞれが自分の特色をもっていること。

(『デジタル大辞泉』より)

もちろんこの場合には”2”が相当します。

そう思ってあらためて見てみると

ちょっと感動的ですらあります。



そこで一句

もくもくと 絶壁のぼる 藻屑蟹

お粗末。

でわ。

(みやうち)

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