現場ノート





国道55号を安田川の手前で左折し

魚梁瀬ダム方面へおおよそ25キロ

クルマで約40分ほど行ったところにある

「そそら橋」というちいさな橋。



ふだんはめったに仕事をする機会がない場所ですが

縁あって

この橋の補修工事をさせてもらうことになりました。

写真を見てもらうと

石積み橋台の根元がすっぽりとなくなっているのがわかると思います。

この部分を

コンクリートで補強するのが主な仕事です。

(「根継ぎ工」と呼びます)

といっても

そのままでは型枠を組み立てすることもできなければ

コンクリートを流し込むこともできないので

まずは

渓の水をパイプに集めて流す仮排水設備を設置するところから。



それが終われば

橋台の根元を床掘り。


上手いぐあいに水を集めることができました。

作業はこれから

床掘り→型枠組み立て→生コン打設

と進んでいきます。

ところで

皆さんはこの橋の名前に

「?」となりませんでしたか?

「そそら橋」

一度聞いたら二度と忘れない奇妙な名前です。

といっても

変なぐあいに奇妙ではなく

なんだかとても愛くるしい名前ですよね。

そもそも

「そそら」ってどういう意味なんでしょうか?

調べてみました。

ラ行五段活用の動詞「そそる」の未然形を「そそら」というそうです。

******

「そそる」

=興味などの感情を引き起こして何かをしたい気持ちにさせるさま。

(『実用日本語表現辞典』)

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未然形?

同じく『実用日本語表現辞典』にはこうあります。

******

未然形は、その名の通り「まだ(未)なっていない(然)」状態を表す。

******

?????

どうもコッチ側からのアプローチではダメなようですね。

ということで

あっちこっち探してみたんですが

どうも思わしい答えが見つかりません。

あきらめかけていたわたしの脳内に

ある歌のメロディーが浮かんできました。

ソソラソラソラ

うさぎのダンス

タラッタラッタラッタ

ラッタラッタラッタラ

歌詞は「ソソラソラソラ」なのに

音階は「ミソラソファミレ」な

童謡『兎のダンス』です。

長野県中野市には

この歌にちなんで名づけられた

「ソソラホール」という市民会館があるそうですが

どう考えても

「そそら橋」とは何の関係もなさそうです。

さて・・・

この歌の作詞をした野口雨情は

いったいどういう意味で

このソソラという言葉を使ったのか。

そんなこんなを考えると

謎は深まるばかりです。

さあ

この工事が終わるまでに

その謎は解き明かされるのか?

それとも迷宮入りとなり

謎は謎のままで終わってしまうのか?

続編やいかに・・・

(ないんだろうなぁたぶん^^;)

(みやうち)

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