現場ノート




青空と木々の緑を背景に山を切り取るユンボたち。

いかにも

林道工事

っていう感じで

いいなあ~

と思うわたしは

やっぱり土木屋なんでしょうねえ。

ところで

数年前までならこの風景に欠かせなかったものが

今はありません。

そう

丁張りです。

大規模なものならいざ知らず

このクラス(二級林道)の林道工事は

道路の縦断勾配(クルマの進行方向に対しての道の角度)がきつく

曲線半径がちいさい(カーブがきつい)

という場合が多いので

それこそ丁張りだらけとなる場合も少なくありません。

ということは・・・

その設置にたずさわる人

それから

切取り時に丁張りどおりに切れているかどうかを確認する補助員

また

たとえ補助員がいたとしても

どうしても自分の眼で確認したくなるために

いちいち重機に乗ったり降りたりするオペレーター

それらの人数と手間が

林道工事で利益をあげるのをジャマする大きな要因となっていました。

それらを無くして施工することを可能とし

飛躍的な生産性向上につながったのは

(あくまでも切土工に限りですが)

そう

ここでも何度も紹介してきた

杭ナビショベルによるICT施工のおかげです。

がっ

じつは何を隠そう今回は

(何にも隠してないけど)

丁張りをかけてます。



なんで?

っていうと

オペレーターを始めとして

作業にたずさわるみんなが

山を切り取りはじめる場所

つまりテッペンがどこかを

それぞれの目で見て確認し

なんとなくこんな感じやな~

っていうイメージを共有してもらうため。

なので

ココ大事

っていうところだけの

4箇所限定で丁張りを設置した

というわけなのです。


とはいえそもそも

最初に丁張りレス施工をするとき

みんなが

「やっぱり丁張りがあった方が・・・」

とかナントカ言うのを

「いや、どうせやるんなら一回振り切らにゃ、良いもわるいも判断できんキ」

と説き伏せ

完全無丁張り施工を主張したのはこのわたし。

それが今回

「ポイントとなるところだけでイイから丁張りをかけてみようよ」

とアドバイスしたのもこのわたし。

でもそれは

「どの口が言うか」

ではなくて

そこは臨機応変。

必要以上に従来手法にこだわるのはよくないけど

それを取り入れた方がよい場合は

従来型に戻るのに何のこだわりもありません。

あたらしい手法を手に入れた

だから古いやり方は捨てる。

ではなくて

必要なのは新旧折衷

いや新旧融合。

それが

「今」という時代の土木を生きる

古い人間の務めなんじゃないかと思う今日このごろ。

そうそうそういえば

本日は県の情報化技術活用検討委員会に出席するためお城下へ。

そこはいつも

たとえば某スーパーゼネコンの研究室にいる方とか

世界的大企業の幹部とか

そうそうたるメンバーが

最先端の情報化技術について

知見や意見を披露する場で

地域のちっちゃな建設業者の番頭であるわたしは

いつもそんな話を聞きながら

へ~

ナルホド

スゴイですね~~

などと感心しきりなんですが

今日はひとつ

そんな話でもしてみるかなぁ~~

などと軽く思ったりする朝なのでした。

(みやうち)

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