現場ノート



国道493号沿いに流れる奈半利川支流小川(こがわ)川。

(地元では「川」をつけずに「こがわ」とだけ呼びます)

いやチトちがいますね。

当然のことですが

先にあったのが小川川で

国道493号のもととなる道はその川沿いにつけられたのですから

奈半利川支流小川川沿いに通る国道493号の脇を流れる小川川・・・

あれ?

なんだかよくわからなくなったので先へ進めましょう。

うつくしい自然がアチラコチラで見られる北川村でも

わたし個人的にイチオシなのがこの川。

なかでも川のなかの岩にできた甌穴(おうけつ)はみどころです。

たとえば

わたしがクルマをとめたこの対岸にあるような・・・


この丸いくぼみが甌穴。

どうやってできるかというと

たとえば

岩の表面に凹凸があったとします。

そのくぼみに落ち込んだ礫(れき、小さい石や岩石の破片)が

渦の流れのように回転し

長い年月をかけて岩盤を削り円形の穴を掘る

そうやってできたのが甌穴です。

ここ小川川には

県道安田東洋線との分岐となる二股橋(通称めがね橋、昭和15年造の無筋アーチ橋)から

上流の蛇谷林道入り口付近までのあいだに

臼のように穴のあいたこの甌穴岩がそこかしこにあります。

そんな風光明媚な小川川沿いの国道493号で

きのう今日の2日間にわたって行われるのが落石防護ネットの補修。



ゴツゴツの岩肌をおおっているロックネットは

一見して問題がないようにも思えますが

近寄ってみると・・・



石が落ちてあいたと思える

こんな穴がそこかしこに。



そのまま放置していては通行車両に危険が及びますが

全部を張り替えるのには大きなお金が必要なので

破れたところの周辺だけに

あたらしいネットを張り

ゆるんだワイヤーロープは取り替えて

とりあえず安全に通れるようにはしておこうというのが

今回の補修工事の内容です。

奈半利川支流小川川沿いを通る国道493号は

うつくしい川の流れとめずらしい甌穴岩をながめながら走ることができる道ですが

山手の方には

こうやって石が落ちてくるところがたま~にあります。

都会の人はよく

「”落石注意”て言ったってなにを注意すりゃいいんだよ!」

なんてことを申しますが

山岳民族からひとこと言わせてもらえば

そりゃやっぱり注意をするのとしないのとではぜんぜんちがいます。

せまい日本、そんなに急いでどこへゆく。

たまには

うつくしい川を見ながら

そして山から落ちてくる石にも注意しながら

ゆ~っくりと運転するのもよいものですよ。

(みやうち)

PAGE TOP