現場ノート



高知県初となるラウンドアバウト(環状交差点)工事、北川村柏木で絶賛進行中です。

この交差点、一般的なものとは異なり信号がないので、車両の安心安全な通行にとって、標識類が適切に配置できているかどうかも重要なポイントとなります。

標識といっても、ここに設置するものは大きくふたつに分かれていて、ひとつは「コッチへ行くとアレがあるよ」とか「この先はアッチ方面だよ」とかを表す案内標識で、これは道路管理者(つまり工事の発注者)の管轄。そしてもうひと種類は交通安全に関係するもので、ぼくやアナタがふだんからよく目にするもの、いわゆる警戒標識(警察の管轄)です。






ところで、この警戒標識、どの記号や数字が何を表しているか、アナタはきちんと理解していますか?ちなみにこのモデルを描くに際してよく理解していない自分に気づいたぼくは、恥ずかしながら再度勉強し直しました。

と、そんなことはついでのモチで言っただけで、本筋にはなんの関係もないとして、それらの標識を地下から見てみると・・




こんなふうにたくさんのコンクリート基礎を地中につくらなければなりません。この中には標識基礎だけではなく埋設配管を接続したり分岐したりするところに設置するハンドホールもありますが、とにかくすべての標識には、もれなく基礎が付いてきているわけです。

そんな基礎たちの幾つかを、今回はまず「陸打ち」という方法でつくっています。

「りくうち」ではありません。「陸打ち」と書いて「おかうち」と読みます。比較的小さなコンクリート構造物を、別の場所で型枠組立、コンクリート打設を行い、2次製品化し、所定の場所へ吊り込んで据付けることをそう呼びます。考えられるメリットはいくつかありますが、今回この方法を採用するのに重視したのは以下の点。

  1. 現場での「1週間の待ち時間」がなくなる 現場打ちの場合、穴を掘ってから型枠・打設・養生・型枠外しまで約1週間以上かかり、その間は固まるのを待つためまわりの工事(道路の掘削や路盤づくりなど)が完全に止まってしまいます。陸打ちなら、完成品を置いて埋め直すだけなので、周りの工事を止めずに済みます。
  2. 基礎をつくりながら、現場の工事を進められる 道路工事を進めている裏で、別の場所で基礎をつくって固めておくことができます。現場の準備ができたタイミングで設置できるため、工程の遅れやムダな待ち時間が発生しません。
  3. 設置位置の微調整による「こわして作り直し」を防げる 現場でつくると、後から位置変更があった場合にコンクリートをこわして1からやり直す(さらに1週間遅れる)ことになります。陸打ちで製品にしておけば、置く位置を変えるだけで済むため、手戻りを防げます。



「おいおい、位置変更なんかをなくして手戻りをなくすための3次元モデルでもあるんじゃないのかよ」

とツッコんでいるそこのアナタ。まことにおっしゃるとおりなんですが、それで全てが上手くいけば苦労はありません。たしかに3次元モデル上で発注者と警察を交えて協議を繰り返し、さらに現地確認(このときはARを活用するつもりです)を経て位置決めをしますが、いざ、となったらあともうちょっと後ろとか前とか右とか左とか、そういうことがないとも限りません。陸打ちによる二次製品化をしていれば、即座にそれに対応できて、全体工程にも大した影響は与えずに済むことができるはずです。

それやこれやを含めて、ハタケ所長が採用したのが陸打ちです。

といっても、土木工事における正解はひとつではなく、その場その時その人などなどで変わってきたりして、そして良かれと考えて採用した方法が、必ずしも成功するとは限らず、あゝこうした方がアアした方が、と思うこともしょっちゅうではありますが、とにもかくにも標識基礎たちは、本社横にある倉庫敷地での陸打ちが終わったあと、養生期間を経て型枠をはずし、ただ今待機中なのです。



(みやうち)

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