現場ノート

さてさて、先日のブログで写真を褒めれたのに気をよくしたケーくん(たぶん、知らんけど)

昨日はこんな写真をアップしてくれました。

これもまた、なかなかよい写真です。 いわゆる「斜め構図」ですね。

まず、この写真の「よいところ」から解説してみましょう。

手前から奥に向かって、真あたらしいコンクリートブロックの列が斜めにズラーッと並んでいます。 このラインが視線を奥へと誘導してくれるので、現場のスケールの大きさや、奥行き感がよく出ています。

強い直射日光のお陰で打設したばかりのコンクリートの質感もリアルで、これまた「きっちりええ仕事しちゅうね!」と視覚的に伝わってきます。「光と影」を上手に活かしている、てな感じですね。

ただ……

その「光と影」の「影」が、逆に「惜しい!」ポイントを生み出してもいます。

右下の手前。 ケーくん自身の「影」が、バッチリ写り込んでしまっています。 現場の写真として見たとき、本来の主役である真あたらしいコンクリートの上に影が落ちていると、せっかくの綺麗な仕上がりが隠れてしまいます。 意図的なアート作品ならともかく、客観的な構造物写真としては、「写真を撮っている人がそこにいる」という現実感が、見る人の意識を影へと誘導してしまって、視覚的なノイズとなってしまうんですよね。

もうひとつ残念な点は、左端。

黄色の重機が、ほんの少しだけ「見切れ」て写り込んでいます。

写真撮影の基本は、「入れるなら意味を持たせてハッキリ入れる。入れないなら完全にフレームアウトさせる」。

中途半端に見切れていると、見ている人の視線がそこに無意識に引っかかってしまって、せっかくの主役(ブロックの列)から意識が逸れてしまうんです。 ぼくとしては、この重機はハッキリと画面の左側に入れてあげた方が、「この機械でダイナミックに作業を進めているんだぞ」という土木現場らしい力強さが出て、さらによかったんじゃないかなと思います。

では、どうすればもっと「えい」写真になったでしょうか?

答えは簡単です。 「シャッターを切る前に、画面の四隅(すみっこ)を確認する」こと。

影が入ってしまうなら、太陽の位置を確認して、一歩横にずれて立ち位置を変えてみる。

重機が中途半端なら、もう一歩下がって重機全体を名脇役としてフレームに収めるか、逆に右に一歩ずれて重機を完全に画面から追い出す。

ほんの少しの工夫、シャッターを押す前の数秒間の確認作業だけで、写真の仕上がりがグッと変わります(いやこれホンマ)。

ケーくんが、前回のように「奥へ続くライン」を意識して現場のスケールを伝えようとしたとしたら、その狙いはすばらしい。次はぜひ「光(自分の影)」と「四隅のノイズ」を意識してみてください。

じつはコレ、日々の工事記録写真撮影の基本でもありますよね。

ぼくがまだ駆け出しのころ、亡くなった先代社長が若い技術者たちに口を酸っぱくして言っていました。

「ファインダー(今ならディスプレイですかね)に映ったものしか写真には写らない(だから、シャッターを押す前に余計なものが入っていないか、必要なものが見切れていないかを必ず確認する)」。

そんなん当り前やんか!

というひとには関係ないのでしょうが、そうじゃない人は、騙されたと思ってそれだけにちょっとだけ気を配ってみてください。 日々の写真が、見違えるようにカッコよくなるはずですよ!

ぜひ!

(みやうち)

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