現場ノート

「道路が陥没しているので至急現地を確認して対処してほしい」

との依頼を町役場から受け向かった先は奈半利町某所。



ふむ

陥没は陥没ですが

小さな穴だったのでまずはひと安心。

とはいえ油断はなりません。

現状を正確に把握するのは緊急事態における基本であり鉄則です。

どれどれ・・・と


直径約20センチ

深さは・・・
約4メートル



明らかにこれは人為的なもの

孔壁がくずれないように

海岸か川原の石をていねいに積んでいます。

周辺の住民に訊ねてもハッキリとはしませんが

おそらく井戸

だったのでしょう。

とりあえず鉄板を敷いて立ち入りができないように周りを囲って

多気坂本神社の神官さんに連絡。

「井戸祓いをしましょう。状況から判断するに息抜き(※)は必要ないでしょう」

ということで

日をあらためて実施することにしました。

(※息抜き=井戸の底から地上までパイプを通して中にたまったガスを外に出すためのもの)

数日後。

祓えたまえ清めたまえ・・・



もちろん

いつだったか今となってはよくわかりませんが

井戸を塞いで道路にするときにお祓いしておくべきだったのでしょう。

でも

そんな理屈を言っていてもはじまらない。

遅きに失するということはありません。

井戸を埋め戻すことで土地を清浄な状態に戻し

井戸の神様や水の神様に感謝し今後の土地利用の安全を祈願し

長年にわたって井戸が水を供給してくれたことへの感謝の気持ちをあらわします。

お祓いが終わればすぐ砕石で埋戻し



あとはアスファルト舗装を残すのみですが

とりあえずはこれでひと安心。

それにしても・・・

土木屋としてのぼくは

やっぱりコレに興味が尽きません。



う~ん

ナイスな石積みです。

丸々とした玉石を空石積みでくずれないようにするには

相当な技術が必要です。

やるなぁ~

どこの誰だかわからない先人に最敬礼

なのでした。

(みやうち)

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