北川村Mさんちの仕事は
柚子畑からところを変え
墓地へとあがる道への階段設置。
現場を訪れてみると
ちょうど型枠の組み立てが終わる頃合いで
ひとりで作業をしていたゴーくん
「あ、ちょうどよかった、メントの計算してください」
(ここらへんではコンクリートのことをメントと呼びます。セメント→メント)
「え?オレが?できるかなぁ・・」
いったいいつ以来だろうか、
しかもこの階段
変形やし・・
ぜんぶの寸法を一つひとつ測れば計算はできるけど
そんなのややこしいし・・
戸惑いつつしばし考えて採用したのが
スキャンして
3次元データから算出する方法。
会社に帰って出した結果は
0.43立方メートル≒0.5
さっそくゴーくんに電話して
「出たで」
「いくらになりました?」
「コンマ5」
「え?そんなに少ないんですか?」
「そう感じるやろ?オレもそう思う、けどねえ、そうしかならん」
「いえ、あくまでもぼくの感覚ですから、計算が正しいでしょう」
「いや、感覚は大事よ、けどまあそれでいこか」
翌日
10時からの打ち込みと聞いて
11時前ごろ現場に行くと・・・

すでにネコつき完了。
(ここらへんでは一輪車のオペレーションをネコつきと呼びます。一輪車=ネコ、運転=つく)
残念
貴重な写真を撮ることができなかったおのれのうかつを嘆きながら
気を取り直し
墓地へと上がると
ゴーくんがひとり
天端(てんば)のコテ仕上げ。

白いポロシャツと背中のロゴマークがまぶしくて
ああ
やっとそんな季節が来たんだなと
なんだかちょっとうれしくなって
ふと山の方を見上げると

タラ芽
(ここらへんではタラの芽とは呼ばず、「の」抜きでタラ芽)
春
なのですよ。
と
ちょっぴりほんわかしながら
「あれ?あとのふたりは?」
ゴーくんにたずねると
「次の現場へ移動しました」
そう
北川村のMさんちの仕事は
まだまだこれで終わりではないのです。

ということで
あしたは北川村のMさんちの仕事、完結編。
ゆずロードふたたび
の巻 (^O^)/
(みやうち)