現場ノート



社内専用の共有サイトにアップロードされた写真です。

場所は国道493号北川道路工事で大型ブロック積みを行っている現場

撮影者はケーくんです。

よい写真ですね。

見るなり、「ほー...えいやんか!」と内心でつぶやいてしまいました。

さて、ではこの写真、一体どこがよいのでしょうか?

ちょっと解説してみますね。


まず一つ目は、なんといっても「奥行き」の素晴らしさです。

専門用語でいうと「一点透視図法」という構図になっています。

例としてはダ・ヴィンチの名画「最後の晩餐」が有名ですね。





部屋の壁や天井の線がすべて、中央のキリストの顔に向かって集中していますよね。これと同じです。

写真右側にズラリと据え付けられた真あたらしい大型ブロックのラインを見てください。

この手前から奥へとつづく一直線のラインが、はるか奥の谷間(仮設足場のあるあたり)に向かって、吸いこまれるようにまっすぐ伸びていますよね。

言葉だけではピンとこないかもしれないので、ちょっと補助線を引いた画像をつくってみました。



どうでしょう?

すべての線が奥の「1点」に向かっているのがわかると思います。

この構図のおかげで、現場のスケールや、何より、狂いなくきっちりと据え付けられた「いい仕事」の美しさが、視覚的にドカンと伝わってきます。

二つ目は、「色の対比」。

山の緑と空の青。

そこに無機質なコンクリートの「白っぽいグレー」が並びます。

そして極めつけは、現場の主役である重機のあざやかなイエロー。

高く上がったアームに記された「礒部組」の文字も、なんだかちょっと誇らしげです。

そしてもう一つ、この写真から伝わってくる大切なポイントがあります。

それは、現場全体に「ゆったりとした余裕」が感じられることです。

重機の足元から作業スペースにかけて、しっかりと広さが確保されてキレイに整地されていますよね。

資材の配置も整然としていて、足元にムダなものがなく、重機と作業員が安全に動ける「空間的な余裕」が、しっかりとつくられています。

「ゆとりのある空間」

これが、安全作業の基本です。

写真全体から伝わってくるゆったりとした安心感が、日々の現場管理がどうであるかを教えてくれているようです。

おそらくケーくん本人は、日々の施工記録として「いつもどおり」何気なくシャッターを切っただけだったのではないでしょうか(意識的だったらゴメンね)。

でも、無意識のうちでもこれだけ現場のカッコよさが伝わる瞬間を切り取れるセンスは褒めてあげたいと思います。

こんなふうに、毎日見慣れた現場の風景のなかにも、ぼくたちの仕事の魅力がたくさん隠れています。

それを発掘して、現場の外にいる地域の方々に伝える、これも「今という時代」に生きる土木現場技術者にとって重要な役割だとぼくは思います。

「写真を撮る」

日々の業務のなかで大きな位置を占めるこの行為は、多くの現場技術者にとって、ただ「記録写真を撮る」だけになっているはずです。

でも、それだけでは、アナタが手にしているカメラやスマホがもったいない。

「よい写真」を意識してみる。

それだけでも、日々の仕事が今よりおもしろくなってくるかも...

(みやうち)

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