現場ノート



積みあがった大型ブロックの裏に砕石を入れているのはサトシさん

ユンボの手首から先だけを約90度回転させて作業をしています。

どうしてかというと、I(アイ)型ブロックという名のこの大型ブロック、自立型(置いただけで倒れない)といって、前面と背面に5分勾配がついていて、あ、といっても土木屋以外の人にはわかりませんよね、5分(ごぶ)勾配というのは、1:0.5というあらわし方もするのですが、垂直1に対して水平0.5の割合を指していて角度でいうと約63度。

斜面の角度としてはけっこう急ですが擁壁ではよくあるポピュラーな勾配です。

といっても角度がついているのにかわりはなく、前はともかく、背中になると、これがけっこう厄介なのは、丸く囲ったこの部分。




フツーだと、ここに砕石を入れるのがヒジョーにむずかしく、手作業で押し込んだり、ちいさな機械を使ったりと、ひと手間もふた手間も余計にかかってしまって効率がわるい。

つまり、生産性を上げるために用いられている工法に、かえって効率をわるくしている部分があるという、そんな笑えない話となっている現実があったわけです。

といっても、何をやっても、どれを使っても、そんなことはアルアルっちゃあアルアルなわけで、そこを打開していくのが現場の知恵。

そこで考えたのがチルトローテータを活用するという今回の方法でした。

もういちど見てもらいましょう。




いやいや、自慢するほどのことは何もないんですよね。

ただ回転しただけ、360°回るんだから、回してみただけ。

でもね。案外こんなものなんですよね。

ちょっとした工夫、ちょっとした改善、これが大切、それが大事。

ツールやマシーンは、よいものが出現したからといって、それを使うだけでは成果はあがりません。

成果を生み出すのは、それを上手に使ったひと。

そう、「ひと」。

アナタやぼく。

いつもいつでも、ここが決め手、そこが肝心。

いやじつはね、「チルトローテータを買いました!」とかエラそうなことを言っていたものの、それが効果を生み出していたかどうかとなると、首をかしげるところも無きにしもあらずだったわけで、なぜかというとそれはひとえに、その「使い方」を自分のフィールドに落とし込んで考える、という部分が足りなかったのが理由。

ちなみにぼくは、この行為を「翻訳」と呼び、それを定着させていくのを「土着」とあらわします。明治期の日本人が海外の思想や学問や技術を母語に「翻訳」し、土着化させて、その後、今に至る大きな成果に結びつかせたように、せめて心持ちだけは大きくもとうと、「翻訳」と「土着」。教科書を学ぶのはよいのですが、その直訳だけでは、成果はのぞめません。必要なのは、自分のアタマで考え自分の言葉で語り、それを自分たちのフィールドで縦に横にと展開していくこと。だから「翻訳」と「土着」...ありゃちょっと脱線しかけましたね。元へ戻します。

なので、今回のような、何てことはないような使い方がうれしかったりするわけ。ここにすべてのエッセンスと本質がつまっている!と言えばむちゃくちゃ大げさですけど、ま、そういうことなのではないかなと思うわけです。

ちいさな工夫の積み重ねが、いつか大きな成果に結びついたらよいな、なんてことを夢想しながら、チーム礒部の生産性向上は、牛の歩みで進行中なのです。

え?なぜ牛?亀じゃないの?

というそこのアナタ、じゃあアナタだけにコッソリ教えましょう。

亀はどこまでいってもいつになってものろいまま。でも、牛はあるとき突然猛スピードで走ったりすることができます。だから希望を込めて「牛の歩み」、ふだんはゆっくりでも、その積み重ねがいずれトランスフォーメーションを起こすことを期待して「牛の歩み」。もしも起こせなかったとしても、その積み重ねがムダになるわけではなく、ムダとなるはずもなく、そこから派生して生まれてくるものは、組織にとって有益なものとなる。きっと必ず。

てな感じで、がんばっていきましょう!

でわ。

(みやうち)

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