現場ノート

きのうの早朝、はて、4時半ごろだったでしょうか。

ガマンしていた小用がこらえきれなくなり、矢も盾もたまらずはばかりへ行ったそのあと、あれはどういう連想でそうなったのだろうか、しかとは思い出せないのですが、兎にも角にも、あるひとりの技術屋さんの顔が思い浮かんだのです。10年以上も前に協力をしてもらった施工業者さんの現場監督でした。

目鼻立ちがはっきりとして大柄な体躯、それに似合わず気弱そうな声、やさしい人柄、、、すべてがくっきりハッキリと浮かぶのですが、あらあらどうしたことでしょう、名前が、しかも姓と名の両方を、皆目思い出すことができません。

いやいや近ごろでは、こういうことが多いのです。しょっちゅう、と言っても過言ではありません。さては認知症の兆し・・とマジメに行く末を思い悩むこともしばしば。ま、もちろんそのようなことを百万遍考えても、なんの予防にも対策にもならないのですが、かつて「悪魔のような記憶力をもつ男」と自称していた人間としては、いやはやまったくどうにもこうにも、この体たらくが許せないのです。

で、きのう一日、あわただしく動き回り予定していたスケジュールをこなすタスクとタスクのあいだ、いくどもいくども折に触れては思い出そうとするのですが、その糸口すらつかめません。

もちろん、その解決はさほどむずかしいことではありません。そこは場所も年月もはっきりと覚えている過去工事のデータを調べると、すぐに判明することではあります。しかし、そこは生来の天邪鬼のなせる業か、まだまだ己の記憶力に対する未練があるのか、たぶんどちらもなのでしょう。思い出すまでは脳内一本勝負にこだわろうと、されど如何にしても思い出せない現実のキビシサに打ちのめされながらも、家に帰ってひとっ風呂、ウンウンとうなりながらアタマをしぼっていたら、そうだ、Aだ。

下の名前が頭上斜め45°方面にその漢字とともにぽんと浮かんできました。

こうなればこちらのものです。姓を思い出すまでに数秒も要することはありませんでした。

Bだ。

BだAだ。

雲間からお陽さまが顔を出し、まばゆい陽光がふりそそいだときのような、そんな爽快感で心身が満たされました。その後の晩酌が、いつもに増して旨かったのは言うまでもありません。

以上、いつもとはがらっと趣向を変えて、桜の便りがきこえるころ、辺境の土木屋68歳の近況報告でした。たまにはこんなんもエエかもね、と独りごちる花時雨の朝、さあ、今日もやること盛り沢山だぞっと。

(みやうち)

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