現場ノート



ん?

当地では見かけない石材ですねえ

花崗岩です。

この石

どこかで見たことがありませんか?

質問をされて正解が即答できれば

アナタ相当の北川村通もしくは庭園ウォッチャーです。

そう

モネの庭(ボルディゲラの庭)の石積みで使っているものです。

陽光を浴びながら石を積んでいるのは



ボルディゲラの庭をつくった男(のひとり)

ゴーさんです。

ではなぜ彼がここで石を積んでいるか・・・


話は工事を着手したばかりの春にまでさかのぼります。

申し遅れましたがココ

小島地区ほ場整備工事現場です。




草を刈って

切り盛りをする前の全貌があらわになった現場に





草木におおわれた物体が


祠のようです。

まわりを刈りあらけてみて確認してみました。



側面には「なむあみだぶつ」の文字が

ということは

神さまを祀る社殿ではなく仏祠

周囲のロケーションから考えると

五穀豊穣を願ったものでしょうか。

想像ばかりしていてもしょうがないので

地域の年配者にヒアリングをしてみました。

すると

「お大師さん」と呼ばれ

かつては丁重に祀られていたものだとのこと。

ん?

ここでふつふつと湧きあがるひとつの疑問

「お大師さん」とはすなわち弘法大師

その宗旨は言わずもがなですが真言宗

ところがこの祠の側面に書かれているのは「なむあみだぶつ」

言わずとしれた浄土宗や浄土真宗で唱えられる念仏です。

ちなみに真言宗で唱える真言(呪文のようなもの)は

「おん・あぼきゃ・べいろしゃのう・まかぼどら・まに・はんどば・じんばら・はらばりたや・うん」

これでは辻褄が合いません。

さてどうしたものか・・と思案して

とりあえず「お大師さん」という呼称を尊重して

いつもお世話になっている奈半利町にある正覚寺(高野山真言宗)の御住職に来ていただきました。



御住職によると

「そのへんは特に気にせずともよい」

とのことで

とりあえず「魂抜き」をしてもらったのですが

ただ

この場所は「結界」なので移動させない方がよいとのこと

いみじくも地元の方の意見も同じで

「動かしてほしくない」

でも

せっかく周辺を整備する当方としては

この荒れ果てたままで放置したくはない。

そこで

どうせなら周りをきれいにしてさしあげようと



5年前ボルディゲラの庭をつくった際に余った石(瀬戸内海産です)で絶賛石垣修復中

というか

元々あった石積みの外周に

あらたな石垣をつくっているところ

以上の経緯を念頭に

ゴーさん

いつも以上に丁寧かつ念入りに仕事をしてくれています。

来週には仕上がるかな?

乞うご期待!

(みやうち)



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