現場ノート

瀬戸ヶ谷川砂防メンテナンス工事

2期工事(右岸側=正面向かって左側)が完成しました!

これですべてが完成。

昭和34年生まれ

古くなって傷んだ砂防えん堤を補強し

強いダムに再生することができました。

ということで

現場責任者のオー隊長が撮ってきた完成写真

↓↓



できたてホヤホヤのぴっかぴか

ではないのが少し残念ですが

1期2期というのは

あくまでも事業運用上の便宜的なものにすぎず

5ヶ月前に完了した右半分と今回完成の左半分の

両方を併せて全体がひとつの構造物なのですから

完成時期がほぼ半年ちがう右と左の雰囲気を同じにしようとしたオー隊長の目論見は

それはそれで正解。

なので

全体のバランスと雰囲気だけで

3枚のうち

どれを完成写真とするか

検討してみました。

あらためて依頼品を見てみましょう。



これは

従来からよく用いられるもので

ほぼ正面からのアングル。

全体をもれなく写すこと

という完成写真の目的(のひとつ)から言うと

まったく文句のつけようがないのですが

上から撮っても前から撮っても

それが真っ正面や真っ平面になればなるほど

立体感が薄れ

のぺーっとした雰囲気になってしまいます。

つづいて2枚め。



ドローンを使うようになって以来

上から撮る

というのが各社各担当のほぼ定番になっており

たぶんこれが

この中ではもっとも多くの支持を集めるワンショットでしょう。

でも

ぼくが推したのは3枚め。



これもドローンを用いているのですが

いわゆる空撮ではなく

かといって

人間の手や器具だけでは撮れない高さからのワンショットです。

ぼくがこれを選んだ理由を説明する前に

念のために再度

砂防事業の目的を整理すると

流域における荒廃地域の保全を行うとともに下流河川の河床上昇を防ぎ、土砂流出による災害から人命、財産等を守ることを主たる目的とする。(国土交通省砂防部資料より)

そして

その事業によってつくられた砂防関係施設の老朽化対策を計画的に実施し、

施設機能を確保するのが砂防メンテナンス事業です。

つまり

ごくごくかんたんにあらわすとこういうこと。



「地域を守る砂防ダム」が古くなって傷み、その機能を満足に果たせなくなっている。

それを補強し再生させるのが砂防メンテナンス事業ですから

完成写真に相応しいのはそれがあらわされたもの。

ということから

3枚めの写真には

まずは砂防えん堤という構造物に必要不可欠などっしりとした安定感。

それと

周辺環境における砂防えん堤の位置関係。

そして

コンクリート構造物に特有のソリッディー感。

この3点が前2つよりも備わっている。

というのがぼくの選定理由です。

もちろん

好み

はあります。

そしてその

好み

その人それぞれの感性から生じます。

であれば

十人十色人それぞれ

いろんな見方があってあたりまえ。

でも

忘れてはならないのは

ぼくらが行っているのは公共事業で

ぼくらがつくっているのは公共の財産。

そこには当然

公共の益に資する目的があり

その目的が機能として「地域のために」発揮されなければ

公共事業の意義はありません。

公共事業の末端ではたらくぼくたちは

常にそれを肝に銘じながらモノをつくっていく必要があります。

ということは

完成写真も

できあがった物が写っていればそれでよい

というものではないと

ぼくは思うのです。

ちょっとばかり大げさな話になってしまいましたが

全国のご同輩諸君。

完成写真

たかが完成写真

されど完成写真

あだや疎かに考えてはなりませぬぞ~~~(^_-)-☆

(みやうち)

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