現場ノート




敬老の日のきのう

ICT工事推進チームが密命を帯びて向かった先はこんなところ。



「人と生まれたゆえを思え、徳と知識の探求ぞ!」



石碑に刻まれたことばに

思わず「ハイ!」と背筋が伸びてしまうココは



高知県立安芸中・高等学校

じつはわたし

前身の高知県立安芸高等学校を昭和51年に卒業。

ええ

れっきとしたOBでございます。

(なぜか同窓会名簿に名前がないらしいんですけど^^;)

がっ

それ以来47年というもの

母校に足を踏み入れたことがなく

約半世紀を経て

♪帰ってきたぞ 帰ってきたぞ わが母校♪

(『帰ってきたウルトラマン』のメロディーで歌ってみました)




おおコレは懐かしの校歌。

ですが

後半部分はバシッと歌えるんですが

どうも冒頭のメロディーがちゃんと出てきません。

休日ですから

あたりに誰もいないのを確かめて

ああでもないこうでもないと小声で歌い

何度何度ももやり直して

やっと往時の感覚を取り戻しました。

それでは行ってみましょう!

 ♪ 松かげ清く地にしくところ

    吹きすぐる風はゆする

    若き日の希望の夢を

    たらちねの母のみ歌か

    楽しやさし松風の歌よ

    ほのぼのと夢はけむる

    心のゆりかご あゝなつかしの

    我が母校 ♪

気分はすっかり18歳に戻ったところで

それにしても

わがチームはいったい何処に?

先発の2名を探し求めます。

いたいた。




もうひとりは?



中庭で地上レーザー型スキャナを回しておりました。

「ワシ、ここの卒業生ながよ」

「へ~そうなんですね~」

「47ぶりに来たがやけんどね」

「そのときと変わりませんか?」

「ああ、アッチとソッチはなかったけどね。ソコの校舎は昔のまんま。3階の端っこが教室やった」

「へ~そうなんですね~」

19歳の彼にとって約50年という時間の流れは

たぶん確かな実感としてイメージできないことで

半世紀も変わらずにあるということが驚きのようですが

わたしにとっては

そこで誰が何をして

みたいな動画が生き生きと再現されます。

といっても

すべてを覚えているわけではなく

スッポリと抜け落ちた記憶もあって

過ぎ去った歳月の重さがずしりと肩にのしかかってきます。

「この中庭もそのときと同じですか?」

「それがねえ、わからんのよ。記憶にない。たぶん一緒やと思うけど」

そういうじっちゃんに

「フフフ」

と声にならない笑いで返す19歳の顔が

やけにまぶしく見えました。




今年度から安芸桜ヶ丘高校と統合して

あたらしい安芸中学校・高等学校となったのにともない

来年度からは

安芸市桜ヶ丘に建築中の新校舎へ移転するわが母校。

やがて解体される運命にあるこの校舎をデータとして将来まで残しておけたら・・・

という誰かの発案に

「それ、手伝わせてもらいます!」

と手をあげて

1度目でカバーしきれなかった細かいところをスキャンする。

これが今回の密命の中身でした。

ここで白状します。

ついでなので

学校内をくまなく歩き回り

外回りも一周する内に気づいたことがひとつ。

あれ?

ワシ、たしか来たことあるよなあ。

そう。

それは息子が中学生のとき。

ソフトボールの練習試合の応援で。

まちがいなく来てました。

今から16年前のことです。

なので

47年ぶりの母校訪問というのは真っ赤なウソ。

あゝ

昭和は遠くなりにけり。

記憶は薄くなりにけり。

47年前とおなじ真っ青な空を見上げ

ひとりため息をつくじっちゃんは

まごうことなき前期高齢者。

「敬老の日」

という祝日の名称が

やけに心に沁みいるのでした。

(みやうち)

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