国道493号と県道安田東洋線に架かるいくつかの橋を修繕する工事が始まりました。
まずは
設計図が現地と合っているかどうかの確認からです。
あたりまえのことですが
こうしているあいだにも
この上をクルマがとおっています。
そうか。
車輪の下やな。
ふと
かつて読んだ本を思い浮かべました。
『車輪の下』
ドイツの詩人ヘルマン・ヘッセの小説です。
感受性の強い少年ハンスは、詰め込み主義の神学校教育に耐えられず反抗し家に帰されます。
そこでも適応できなかったハンスは、やがて傷心を抱いたまま酔って川に落ち、おぼれ死にます。
というのが超みじかいあらすじです。
そのなかで
神学校の校長が
こんな言葉をハンスにかけるシーンがあります。
「疲れきってしまわないようにすることだね。そうでないと車輪の下じきになるからね」
そう
「車輪の下」というタイトルには
「車輪の下じきになる」
つまり
「社会の仕組みの犠牲になる」
とでもいうような意味が込められています(たぶん)。
といっても
車輪の下でしごとをするわたしたちが
車輪の下じきになるわけではありません。
車輪の下から
社会の仕組みを支える。
ふつうの暮らしを下支えする。
橋を直す
あるいは
橋を強くする
というのは
そういう仕事です。
ある意味で
現代の土木を象徴するような仕事です。
とても大切な仕事です。
それを肝に銘じて
しっかりと仕事をしたいと思います。
ふと思い浮かんだ言葉から
そんなことを考えました。
いや~
単なるこじつけです。
では
ご安全に。
(みやうち)