現場ノート





奈半利川河川災害復旧工事

始まりました。

洪水により壊れた護岸を

ブロック積みであらたにつくり直す工事です。

あ、そうそう

これにさかのぼること約2週間前のことです。

先月の社内安全パトロールで

着工前のこの現場に寄りました。



現場に設置された床掘の丁張りを見た事務員さん。

何を思ったか

3本あるうちのイチバン下流の丁張りを

上流に向かって

変な体勢でにらみはじめました。



「なにしてんの?」

「ためてるんです」

ご存知ない方に少しだけ説明すると、

片目を閉じてねらいをつけたり、じっと見たりする行為のことを、

「矯(た)める」

と呼び、

丁張りを「ためる」

水糸を「ためる」

などという使い方をします。

この現場の場合はつくる構造物が直線なので

3本ある丁張りのどちらか片方から「ためる」と

丁張りの斜めになった部分

(この場合は切土の勾配)

ある時点でピタッと重ならなければなりません。

もし重ならないと

その丁張りはどこかがマチガッテイルということになります。

なので

丁張りを設置したあとは必ず「ためて」

その良し悪しを確認する。

これが必須となります。

それをしないと

万がイチまちがえた場合に

気づかずそのまま施工してしまい

途中で気づいてあわてふためく

という事態におちいります。

頼まれもしないのに

覚えたばかりの「ためる」を試してみた事務員さん。

もう一度その体勢を見てみましょう。



「そんなんダメダメ。形がなってない」

おじさんがダメ出しをすると

「じゃあどうやったらいいんですか?」

不満そうな顔をしてたずねます。

すかさずかたわらにいたセンパイが模範演技。



そうです。

これです。

そもそもこの腰の入り方からして違います。

ならば

ということで再チャレンジ。



いいじゃない。

少々わざとらしい格好ですが合格です。

ICT土工では丁張りレスが基本ですが

なにもそれに固執する必要はなく

丁張りがあった方がよい時は設置して

ムダな時は使わない。

それに

視認性という面だけからみれば

やはり丁張りの方がわかりやすい。

古いやり方にしがみつくのも

新しいやり方だけを押し通すのも

固執する

ということでは同じこと。

なにごとも臨機応変。

これでよいのだとわたしは思います。

さて

今回は直線の丁張りを「ためる」という超初心者コース

いわばイロハのイをやってもらいましたが

次はもう少しステップアップしたやつをやってもらいましょうかねえ。

いつになるかわかりませんが

乞うご期待!

(みやうち)

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